あなたに飼われる猫になりたい

大きな声では言えない日常の本音を書きたいと思います。

アイスショーの裏側(追記あり)

先日、CSでSOIの特別編を放送していた。

全スケーターの演技とインタビュー、舞台裏、練習風景など盛りだくさんで、3時間45分の長時間放送。

羽生結弦はショーのプロデューサー役である佐藤有香氏のアシスタント的立場を担い、(当然と思うが)破格の扱いだった。

羽生結弦の登場シーンだけを集めたWeiboの動画を見たが、約1時間あった。

今年のSOIはそれだけ羽生結弦の存在に頼ったものであったと思う。

 

私はこれまで折に触れ不思議に思っていたのだが、羽生結弦はなぜFaOI以外のアイスショーにほとんど出演しないのだろう?

存在が大きくなり過ぎて、DOIやPIWやTheIceのような元々小さな箱でやるショーには不向きなのだろうか?(『Shall We Dance?』の草刈民代のように「私はここでは踊れない」などと羽生は言わないだろうが)

それともシンプルに考えればソチ後に色濃くなった“共演NG問題”がずっと解消されないからだろうか?

ファン同士の諍いが悪化するのは目に見えているので、宇野昌磨や髙橋大輔などとは無理に共演する必要は確かにないのだろう。彼らからしたら主役を奪われるのも面白くないはずだ。

そして羽生結弦が現役選手である以上は、メインは試合に出ることであり、アイスショーはオフの余興なので、本当に出たいショーだけに絞っているのだろうとも思う。

 

かつてカメラマンの田中宣明氏の講座に参加した際、田中氏は「ゆづにはもっとDOIとかに出て若手の手本になって欲しい」と言っていた。

その言葉に賛同しているファンも多い。

日本フィギュア界の次世代のためには、羽生結弦はもっと若いスケーターと同じ空間で滑る機会を持つべきだとファンでなくとも、スケ連や主催者などの大人たちに普通の神経があるなら考えることだろうという意見も目にする。

(もし“共演NG”が理由なら、そして若い子たちの育成を真剣に考えるならば、遠慮するのは羽生ではなく他のスケーターたちの方だ、などと言ったら乱暴すぎるだろうか)

 

しかし現実問題、今の羽生のようなビッグスターはなかなか無名の若いスケーターと一緒に滑ることは難しいように思う。

そして競技で最高のパフォーマンスを目指すならアイスショーにばかり出てもいられないというのが羽生の本音かもしれないとも思ってしまう。

 

そしてこうも思う。

以前、『奇跡のレッスン』というNHKの番組にシェイやハビが出演した時に感じたことだが、日本の子供たちは本当におとなしい。相手が外国人ということもあるだろうが、挨拶も返事もまともに出来ないくらい固まってしまっていて、スケートの表現どころではないレベルだった。

ああいう普通の子たちがフィギュアスケートを習っていて、その中でちょっとジャンプが上手いというだけで地方大会から全日本へと勝ち上がって行けてしまう現実を考えると、何度か羽生結弦と一緒にアイスショーエキシビションに出るチャンスがあったとしても、それほどプロ意識が芽生えたり、観客を魅了するにはどうすればいいのかに目覚めたりは簡単には行かないだろうなと思うのだ。

 

羽生結弦という存在は本当に大きくなり過ぎて扱いにくいのかもしれない(素朴な日本の子供たちには劇薬という意味で)。

 

また、今回のSOI特別版の放送時、Twitterで『友野グダグダ』がトレンド入りしていた。横浜公演の最終日に円陣を組んで掛け声をする役目を羽生から任された友野が、突然のことで戸惑いぎこちない発声をしていたことを、羽生が「やばい、Twitterで書かれちゃう。友野グダグダで草ww」と言って笑っていたのがネタ元である。

番組では「羽生は場を和ませた」と温かい編集をしていたし、実際みんな笑顔だったので楽しい舞台裏だったのだろう。

一部アンチや他の選手のファンからは「友野くんが一生懸命掛け声をしようとしていたのに、羽生くんが結局横取りするような締め方をしてめっちゃ失礼!それを友野くんは“次回は任せてください”って大人の対応してて偉いね!」などと文句を言っていた。

私もはじめは、たぶん友野は「準備はいいですか?オー!」まで言いたかっただろうから、それを遮って勝手に「行くぜ!オェーイ!」とやってしまった羽生はマイペース過ぎると感じたが、羽生はわりと先輩にさえドSな発言が多いことを考えたら友野も「まあいつもの羽生くんだね」とすんなり受け入れていたのではないかと思う。

織田信成には2016年のGPFのとき、松岡修造氏も同席していたインタビューで「(今の試合の緊張感は)信成くんだったら毎回泣いちゃうかもね」などといじっていたし、無良崇人にもCiONTUでアクセルを何度も跳ばせていた。

きっと友野がジュニアの頃から試合やアイスショーで一緒になる機会があった羽生は、彼のことを気心の知れた仲間として常に対応しているはずだ。今回も問題のないいじり方だったのではないかと思う(羽生は波長の合う相手を見誤らないと思うので)。

確かに「だから友野くんはいじってもらえて、トレンド入りまでして喜んでいるはず」などと決めつけられるものではないが、アンチの被害妄想も放っておけばいいと思う。

(時に苦しいファンの擁護も、アンチの捻じ曲がった中傷も、所詮は部外者の戯言だ)

 

7月には羽生はDOIにも出演することが発表された。

今年は本当に特別である。

コロナ禍がまだしばらくは続くと思うので、いろいろ難しいこともたくさんあるだろうが、その中でもスケーター達に有意義な時間がたくさんあればいいと願う。

 

 

【追記】

“グダグダ”という言葉自体は、どこか人を嘲笑っている響きがあると私は感じるので好きではないが、国別対抗戦の表彰式の際、メダルや花束の扱いに戸惑っている選手たちを見て「グダグダだったww」「可愛かったww」「面白かったww」と多くのファンが草を生やしていたので、ファンのSNSに敏感な羽生結弦は「グダグダ」という言葉をポジティブに使ったのだろうと私は思っている。羽生に友野を嘲笑う意図は微塵もなかったに違いない。

ドーピング検査

先日ある動画を見た、その感想。

 

それはピロシキーズというロシア出身の二人組の芸人(?)が司会をしているYouTubeチャンネルに、アイスダンスの小松原美里・尊組がゲストで呼ばれた時のものである。

ピロシキーズのひとり、小原ブラス氏はウィキペディアによると同性愛者(ゲイ)とのことで、だからというわけでは全くないだろうが、彼は下ネタ全開のキャラであった。(めざまし8やアウト×デラックスに出ているのを見たことがあるような気がする)

 

動画は、小松原夫妻の競技に関する話題が中心であったと思うが、後半のドーピング検査に関するやり取りが衝撃的過ぎて、そして小原ブラス氏の下ネタがはじけ過ぎていて、小松原夫妻の競技に懸ける思いなどを実際どれほど話していたのか全く記憶に残っていない。

 

動画の中で小原ブラス氏はドーピング検査官になるのが子供の頃からの夢だったと語っている。

ネットでどのように検査をするのかも調べたそうだ。

私も調べた。

いろんなアスリートが時々テレビやネットで語っているのを聞いたことがあったのでだいたいのことは知っていたが、本当に検査官の目の前で排尿するのだと聞かされると、やはり他人事とは言え、いい気分にはならない。

 

検査官は検査対象となったアスリートと同性であるとされているが、小原ブラス氏のように同性愛者の場合は男性を検査するのだろうか?それとも“心は女”だから女性を検査するのだろうか?(どちらもあかん気がする)

 

いや、たとえ相手が資格を持った人間で、自分と同性であり、これはアスリートのフェアネスの証明のための検査なんだとわかっていても、すぐ目の前にいる他人に自分の体から尿が出ているところを見られるのは想像しただけで耐えられない。

もちろん私はトップアスリートでもなんでもないのでそんな心配をする必要はないのだが、私は婦人科の内診でも、乳がん検査のマンモグラフィでも、とにかくそれが医療行為とわかっていても他人にそういう部分を見られるのはとても苦痛なのである。

 

もっと言うと、健康診断の尿検査でさえ、検査コップに自分の尿を採取する自分の中腰になった姿も恥ずかしいし、尿の入った検査コップを検査台に置いた後、看護師さんなどにそれを見られるのかと思うだけで恥ずかしい。

(だからと言って、私は恋人同士の性的な行為は問題なく受け止められる。むしろ若い頃の自分はそういう淫靡な世界にとても惹かれ、実際たくさんの男性と関係を持って来た。愛する人との行為なら大丈夫なのだ。と言うか、そういうことは愛し合っている者同士でなければ苦痛以外の何物でもないと思っている)

 

日本という国は女子トイレにはかなり前から『乙姫』などという流水音を流す装置まで取り付けられるという配慮がある国である。

排尿に関しては多くの人間がとてもデリケートに日々感じて、その音を聞かれるのも、聞かせるのも嫌なのである。

 

しかし世界のトップアスリートともなると、自らの潔白を証明するためなら平気になれるのであろうか?

ピロシキーズの動画の中では、小松原夫妻は「検査の時にはズボンを膝くらいまで下げて、シャツもへそより上までまくる」と話していた。

「出るまで数時間かかる人もいるし、丸一日かかる場合もある」とも言っていて、つまりは他人に見られる緊張からか、なかなか尿が出ないことがあるのであろう。

そりゃそうだ。無理もないと思う。

 

ネット情報をいくつか当たった中に「ドーピング検査は、尿検査、血液検査、その両方の場合がある」というのがあった。

ならば血液検査だけでいいのではないか?

 

(私がドーピング検査を受ける側になる可能性も、検査官になる可能性もゼロだが)なんとかして血液検査だけで済む世の中になって欲しい。(大きなお世話かもしれないが)

 

 

 

 

大騒ぎし過ぎではないか。

今朝7:01に配信された記事が非難轟轟である。

 

「悔しいね、ヤバいよ」羽生結弦宇野昌磨

未公開映像で本音が見えた“その瞬間”

(FNNプライムオンライン)

 

このようなタイトルで、3月にストックホルムで行われた世界選手権の最後に漏れた選手たちの本音を、FNN(フジテレビ系)の中継スタッフが記事にしている。

 

ネイサンが三連覇を成し遂げオンラインインタビューに答えている裏側で、待機室で羽生結弦宇野昌磨がこんな会話を交わしていたという。

 

羽生:

悔しいね。ヤバいよ…。

 

宇野:

いやー。

 

羽生:

頑張ろ。頑張ったんだけどな。

今シーズン初めてこんなにフリー酷かった。

練習でこんなミスったことない。

あれーみたいな。

 

宇野:

僕は公式練習からずっとボロボロだったから。ボロッボロだったから。

悔しがる権利もないかもしれない。

 

 

羽生は悔しがり、宇野は悔しがる権利もないと言っている。

いつもの光景である。ファンなら何度もこういうのを目にして来た。

2017年のヘルシンキ大会でも羽生は「(300点超えても表彰台に乗れないなんて)もうこんな試合やだ!」と言い、宇野はケラケラと笑って調子を合わせていたように記憶している。

なんとも微笑ましい光景だ。

 

いや、ファンが怒っているのは、会話の内容がどうとかいうことではないのはわかっている。

「こんなの盗撮だ!」

「撮られているとは思っていない状態の選手の言葉を記事にするなんて神経を疑う!」

「マスコミはいつもそうだ!」

ということなのだ。

 

しかし、本当に羽生と宇野は撮られているとは思っていなかったのだろうか?

 

記事には「我々が頼んだ内容を全て撮り終え、休憩に入っていた外国人カメラマンは何かの存在に気づいて、床に置いていたカメラをそっと向けた」とある。

 

確かに撮影は終了していた。

ここから先はオフレコであったはずだ。

が、外国人カメラマンはふたりの選手の視界の中にいたのだし、「カメラをそっと向けた」動作もふたりは見逃してはいなかったのではないか?

 

ここ何年も羽生や宇野などのトップ選手たちは、会場入りからウォーミングアップエリア、プレカン会場へ向かう道中、会場をあとにする道すがら、ずっとずっとカメラとレコーダーを向けられ続けてきたのだ。

それを考えれば、まだ興奮冷めやらぬ試合会場の一角で、ほんの少しスタッフがカメラを床に置いたからといって、何のガードもなく完全なる素の姿をさらけ出すだろうか?

 

もっと言うと、羽生と宇野というトップのライバル同士がここで交わした言葉が“真実の本音”であったかどうかさえ疑わしい。

 

彼ら選手の側は「いつか記事になってファンの目や耳に届くかも」ということを承知の上で発言していたかもしれないし、このシーンを記事にしたFNNのスタッフ(岡耕平ディレクター)も、「これを記事にしたところで選手側から咎められるやり方ではない」と思ったであろうと私は推測する。

 

この記事に対して憤慨しているファンと同じ人たちであるかどうかは確認のしようがないが、選手たちのバックヤードでの姿を「素敵~」「萌え~」「こんなこと言ってたんだ~」などと、ファンはいつも有り難がって覗き見しているではないか・・・。

 

 

また、フィギュアスケートの雑誌で『Life』というのがある。

次号は羽生結弦が表紙を飾る一方で、巻頭の特集は鍵山優真である。

ファンは「表紙で釣って、後輩くんが巻頭なんてヒドイ!」「奈々美先生のインタビューもアンチライターがやってる!ひどい!どんな偏向内容になってるかわかったもんじゃない!」と大変ザワついている。

鍵山優真が巻頭を飾るのは世界選手権で羽生を上回り銀メダルであったのでしかたのないことであろう。

奈々美先生の取材に関しては、狭いフィギュア界のこと、相手がどんな人物であるかは承知してインタビューを受けたのであろうから、ファンがとやかく言う筋合いではないのではないか?

いやなら買わなければいいだけの話である。

奈々美先生だって印刷前に原稿はチェックしているはずである。元教え子の羽生結弦に不利になるような内容にはなっていないと思われる。

 

 

来年の北京オリンピックに向けて、今後もっともっとマスコミの煽りは酷くなっていくであろう。

試合前は毎度のことだ。

ファンはもっと鷹揚に構えていたらいいのではないかと思う。

 

羽生結弦はもうずっと山のてっぺんにいる。

他者からのマウンティングなど鼻くそである。

羽生結弦も羽生のファンもマウントの頂上にいるのだから。

 

 

 

 

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練習拠点・コーチの変更

ロシアの女子フィギュアスケーターは年々競争が熾烈になっている。

ずっと昔からそうだったのかもしれないが、2014年のソチ五輪でのメダル獲得を目指して、国を挙げての選手強化が特に競争を激化させたように思う。

 

中でも次々と新星を作り出しているのがエテリ・トゥトベリーゼコーチが中心となっているサンボ70である。

2019-2020シーズンにシニアデビューをし、表彰台を総なめにした3人娘、コストルナヤ、トゥルソワ、シェルバコワのうち、コストルナヤとトゥルソワは指導に不満があったのか、ここでの練習に限界を感じたのか、下の世代に脅威を感じストレスが爆発したのか、理由はよくわからないが(親の意向も大きかったのだろう)、更なる高みを目指してプルシェンコのもとへ昨年移籍した。

 

しかし、今シーズン、コストルナヤもトゥルソワも期待したような結果が得られず、結局ふたりともエテリの元へ戻ることが発表された。

 

かつては、カザフスタンのツルシンバエワも平昌五輪銀メダリストのメドベージェワもエテリの元を去り、一時期カナダのクリケットクラブを練習拠点にしていたが、彼女たちも夢やぶれて(?)エテリチームに戻った。

 

練習拠点変更。

コーチ変更。

選手たち(とその親たち)は何かしらの不満や不安を抱えて、よりよい環境を求め別の場所へ行く。

たいていの場合は大きな試合で思ったような結果が出せず、行き詰まりを痛感し、拠点変更に突破口を見出したいのだろう。

 

日本の選手でも、例えば濱田美栄コーチのもとを去りアルトゥニアンコーチに指導を仰ぐようになった本田真凜や、山田・樋口コーチと決別し、ランビエールと師弟関係を結んだ宇野昌磨、他にも紀平梨花ランビエールとタッグを組み、宮原知子はカナダのバーケルコーチのもとへ、本郷理華も一時期バンクーバーへと、ほとんどのケースが成績が落ちて来て、ここからなんとかまた表彰台に這い上がろうと移籍を決断したように見える。

がしかし、(今のところ)彼らもロシア女子と同様、拠点変更がより良い結果に繋がっているとは言えないのが現状である。

 

成績に伸び悩んだ際には、「指導者を変えたい。変えたら全てがうまく行くんじゃないか。成績が伸びないのはコーチの指導方法に問題があるからに違いない」と思ってしまってもしかたがない。

 

しかし結局のところ、本人の持って生まれた才能と、正しい努力と、年齢的なピークと、絶対的に必要な運がぴったり噛み合わないと、どこへ行っても大成しない人はしないのだろうと思う。

(それはフィギュアスケートに限った話ではなく、他のスポーツでも、スポーツ以外のこと、たとえば音楽でも学問でも何でもそうである)

 

フィギュア界ではカナダのクリケットクラブは誰からも一目置かれる特別なリンクである。バンクーバー五輪キム・ヨナ、ソチ&平昌の羽生結弦と、五輪三連覇中であるのだから当然だが、そこへ移ってきたメドベージェワはもはや伸びしろなくロシアへ帰り、ジェイソンは未だ四回転を試合で成功できず、ジュニア時代からクリケットにいるジュンファンは今ひとつパッとしないまま背ばかりが伸び、たとえクリケットに籍を置いてもダメなものはダメという現実を突き付けられているようである。

 

フィギュア観戦歴の短い私にとって、唯一コーチを変更して成功したのは羽生結弦だけだ。

羽生結弦はシニア2シーズン目の2012年、ニースの世界選手権で銅メダルを獲得し、一躍ソチ五輪のメダル候補に名を連ねた。

龍が天を駆けて行くような勢いがあったのだろう。

そういう上り調子のタイミングでなければ、もしかしたら拠点変更はうまくいかないものなのかもしれない。

 

あるいは、羽生結弦ほどの才能と努力と強い運があれば、どこででも成功したのかもしれないが。

 

ネイサンに対する本音

単なる私の偏った見方かもしれないが、羽生結弦ファンの多くは「ネイサンなんてジャンプと助走しかしてない。カリスマ性もないし、華もない。何度ワールドで優勝しようと、何度羽生くんに勝とうと、本物の王者ではない」と思っているように感じる。

 

本当にそうだろうか?

 

カリスマ性もスター性も華もないのは確かなのだろう。

そういう魅力がネイサンにあるなら、彼はもっともっと人気スケーターになっているはずだ。

アメリカではフィギュアの試合がテレビ中継されることもあまりないそうだし、アイスショーも瀕死の危機にあるらしい。

それはすなわちネイサンに人気がないから、ネイサンがスター選手でないから、ネイサン以外にもスターがいないから、ということの証明に他ならない。

 

それは私も認める。

しかし、本当にジャンプと助走だけの選手だろうか?

 

ネイサンはバレエと体操の素地があるので、手先の表現や、つま先まで伸びた美しいフリーレッグを見せる力はある。体幹もブレずにキレのある動きが出来ている。

柔軟性がないのであまりバレエ的な流麗なプログラムを滑る印象はないが、『ロケットマン』や『ネメシス』や、今シーズンのフリーなどではダイナミックなコレオを見せていてとても面白い。

『海賊』や『韃靼人の踊り』も悪くなかった。

そこに四回転ルッツやフリップをかなりの高い確率で成功させているので高得点が出るのも私は納得している。

ジャンプの助走が長いとか、高さがないとか、着氷が流れないとか、そういう細かいことを言い出したらキリがないが、全体の印象としては軽々とジャンプを跳び、ランディングでステップアウトや前のめりになることが少ないのは、プログラムの完成度としては高く評価されてもいいと思う。

 

2019年のさいたまワールドを夫と見ていた時、夫は「ネイサンは軽々とジャンプを跳ぶが、羽生はちょっと力んで苦しそうに跳んでいるように見える」と言っていた。

羽生は怪我をしている中での演技だったので「苦しそうに跳んでいる」ように見えたのは仕方のない事だとは思うが、ネイサンが軽々と跳んでいたのも事実だと思う。

 

羽生結弦本人がネイサンとは違う方向のスケートを目指しているので、羽生ファンもネイサンを認めるわけにはいかないのは無理もないが、ルールや採点傾向など何も知らない素人(私の夫)からすれば、助走の長いこじんまりしたジャンプであってもキッチリ跳んで、ミスの少ない演技が勝つのは当然のことなのだ。

 

羽生結弦はジャンプの入り方も出方も難しい工夫をし、限りなく助走を短くし、つなぎも衣装も曲に合わせて作り上げている。

ファンにとってはプログラムへの愛と理解の深さが伝わり、羽生こそが世界一のスケーターだとわかるが、今はそういう採点傾向ではないのだから、それでは羽生はネイサンに勝てない。

いや、そんなネイサンと、そしてそういう採点をするジャッジに勝とうなんて、もはや羽生結弦は思っていないのだが。

 

私がひとつとても気になっているのは、羽生結弦は平昌五輪前に右足首を怪我してからつま先が美しく伸びていないことが多くなったような気がする。

テーピングを何重にもしていて伸ばすことが出来ないのだろうか?

それとトランジッションを豊富に入れ過ぎて全体のスピード感が足りないようにも見える。

ネイサンや宇野などは大して複雑な足の動きを入れていないが、それゆえスピード感だけはある。そして今はそういう、ある意味見ていて爽快な単純なプログラムが評価される採点法になってしまっている。

悔しいけれど、羽生結弦が勝つには自分の信念を曲げてそういう滑りに転向するしかないのかもしれない。

(しかし羽生結弦の目指すところは絶対にそういうスケートではないし、彼はもう十分勝って来たので、あとは四回転アクセルの成功だけを目指せばいいと思っている)

 

最後にこれは私のもうひとつの本音だが、羽生ファンはネイサンに対して「華がない。カリスマ性がない。ジャンプだけ」と散々言うが、鍵山選手に対しては寛容に応援しているように見えるのが心底不思議である。

鍵山選手は日本の若手で、未来の日本フィギュア界を背負って行くかもしれないスケーターだから、そういう温かい目で見られるのかもしれないが、私には何の魅力も感じない。

(性格はとても素直で賢い子だとは思っているが)

ジャンプの構えにも癖があるし、大して踊れていないし、それこそ華もスター性もないように見える。

ネイサンのことはめちゃくちゃ言ってもいいが、日本の若手には厳しい評価をしてはいけない空気は一体何なのだろう?

(ネイサンは日本語が読めないから何を書いてもいいが、鍵山選手には気を遣っているということだろうか?)

羽生結弦ショー

今年のSTARS ON ICE横浜公演はオープニングからヤバかったという話題で持ち切りだ。

 

羽生結弦が『Let Me Entertain You』の衣装で登場し、マイケル・ジャクソンのように腰を振りながら滑っていた・・・らしい。

実際に腰を振っていたのかどうかはTwitterに流れてきた小さな動画の映像でしか見ていない私にはわからないのだが、ドラムの激しいリズムに合わせて縦にやっていたように見えた。

照明もキツかったので、それで羽生結弦の腰の動きがはっきりとは見えなかったのだが、それはそれでよかったのかもしれない。

あんな生々しいエロイ動きを見てしまったら夢に見てしまうかもしれない。

心臓に悪い。

 

エロかっこいい系の踊りは髙橋大輔の方が上手いと思うが、髙橋はタッパが足りないのと、顔が濃すぎてやり過ぎ感が出てしまう。

 

『パリの散歩道』にしても、『Let's Go Crazy』にしても、『Let Me Entertain You』にしても、羽生結弦は洗練された色気を表現していた。毒はないが、品のある色気は今の時代にはウケがいいように思う。

今回のオープニングはそこに生々しさが加わっていた。

 

日本の若い男性で言えば、ジャニーズのタレントは華やかな衣装を着て、カッコいい踊りで若い女性にキャーキャー言われている。

最近では韓国のアイドルもとても人気があるようだ。K-POPとか言うらしい。

私自身は若い頃からそういう類の男性タレントに熱狂した経験はないが、羽生結弦のように顔もスタイルも踊りもいい男性は、もっと若い女性に支持されて欲しい。

(いや、目の肥えたマダムだからこそあの魅力を理解できるのか?いやそれでも・・・)

 

SOI横浜では羽生はトリで『Let's Go Crazy』を披露し、フィナーレでもソロパートで観客を魅了し、マイクで最後の挨拶もし、まさに主役だったとファンは言っている。

 

ただ、FaOIでもその他のアイスショーでもそうだが、順番にスケーターが出て来て自分たちのプログラムを滑る形式は私は途中で退屈になってしまう。

 

浅田真央のサンクスツアーや髙橋大輔が主役の『氷艶』などはそういうショーとは全く違う構成になっているので、(それと同じである必要はないが)羽生結弦にはまた新しいショーのスタイルを見つけて、私たちに見せて欲しい。

 

そして、その時は観客が思う存分声を出してショーを堪能できる安全な世界になっていて欲しいと心から願う。

 

(尚、オープニングの髪型はなんとなく中途半端だったのと、レツクレは私は紫色の衣装の方が好きだったので、八戸公演では変更があることを期待する)

ファンのダブスタ

フィギュアスケートのファンブログはたくさんある。

数え切れないほどに。

一番多いのはもちろん羽生結弦選手の応援ブログ。

ランキング上位を常に占めている。

 

それらの中には、アフィリエイトをベタベタ貼って、明らかに金儲けのためにファンブログを書いているんだろうなと思うものもあるし、いろんな組織に突撃するよう煽ってばかりの頭おかしい系ブログも少なからずある。

 

読めばもやもやもするが、何も知らずにいるのも嫌なので、だいたい毎日チェックしている。

 

そんな中で今日はひとこと言いたくなるブログがあった。

(前からそのブログ主には言いたいことはあったが飲み込んできた)

 

昨年の長野の全日本選手権と、先月のストックホルムでの世界選手権の開催に対して、

コロナ感染防止対策は大丈夫なのかと市や県、国、ISU、IOC、スケ連などなどへ問い合わせたり、嘆願書を送るよう読者を扇動したり、とにかく開催中止せよと喚いたり、それはそれは大騒ぎであった。

 

大阪での国別対抗戦に関してもまん延防止措置が適用されているのだから、せめて無観客でやるべきといろいろ発言していたようである。

 

そして横浜でのSOI・・・昨日の17時頃、羽生選手の出演が発表された。

昨年発売したチケットの払い戻し期限が3月31日だったのに、その2日後に発表って、マジで酷すぎる!(と私も思う)

チケット持っている人も、払い戻した人も、元々アイスショーに行く予定じゃなかった人も、主催者のそういうあこぎな販売方法に怒り心頭である。当然だ。

 

そして件のブロガーさん。

「国別に羽生選手が出ると聞いて、SOIにももしかしたら出るかもしれないと思い、一旦払い戻したチケットを保留にしてくれるよう販売業者に依頼しておいた。よかった」などとブログに書いているではないか!?

 

あんなに他の試合はやめろ!やめろ!と抗議をしておいて、羽生選手が出るアイスショーには自分は行くと!?

ダブスタもいいとこではないか!?

そのブログの読者さんたちはそれを聞いてどう受け止めているのだろうか?

「よかったですね。チケットぎりぎり手放さなくて~」だろうか?

(それとも自分だけ良い思いをして何なんだ?と思ってても言えないのか?)

 

羽生ファンだけではないが、本当にそういう「あれはダメだけど、自分の(推しの)これはいい」っていうダブスタファンが増えているように思う。

そういうことにうんざりしている今日この頃である。