『フィギュアスケート通信DX』という雑誌がある。
ファンの間では『羽生通信』と呼ばれているほどの羽生オンリーの雑誌である。
出版社はメディアックス。
このメディアックスさんが、このたび謝罪文を自社ブログ(?)に掲載した。
先日、『フィギュアスケート通信DX』の“全日本選手権2020 最速特集号”が発売されたが、その72~73ページの写真がどうやら羽生選手のお姿が真ん中で切れてしまうような仕上がりになっていたらしい。
多くの羽生ファンがその酷い仕上がりに対して、
「残念」
「なぜこんなことに?」
「悪意を感じる」
「もう買わない」
などと言っているのを私もネットでいくつか見かけた。
それを受けとめての謝罪文なのだろう。
メディアックスさんは真摯に反省されて、今後このようなことが二度とないように細心の注意を払っていくと仰っている。
私はこの文章を読んで、なぜだか涙が込み上げてきた。
出版社の中の人の誠実さが伝わって来たというのもあるし、これを読んだ羽生ファンが「ありがとう!これからも買うよ!」と言っているのを見てホッとしたというのもあるけれど、
やはり、なんというか、こういうネットの中で人と人の心がぶつかり合ったり、傷つけ合ったり、紆余曲折を経てやっと通じ合ったり、そういうことを見聞きする日常に私自身の神経がすり減っているのだと思う。
羽生選手自身が、ネットの中のファンやアンチの言ってることをどこかで見ているのは確かなのだ。
2018年のCiONTUで羽生選手は「僕も見てるよ」と言ったのだから。
それで彼がネットの中のあれこれをどう感じているのかは知らないが、嬉しい事ばかりではないのは確かだろうと私は思っている。
羽生ファンだけでなく、他の選手のファン(浅田ファン、髙橋ファン、宇野ファンなど)はTwitterやブログや5chでけっこう好き放題言っている。
他の選手の悪口を。
ジャッジへの批判を。
ISUやJSFへの要望を。
完全なる部外者のいちファンが何を偉そうにわかったようなことを言っているのだ?と思うような発言もかなりある。
どこまでが“表現の自由”として許される発言なのだろうと疑問に思うほどのことを毎日目にする。
スケートが好きで、良い演技がしたくて、試合で勝ちたくて、純粋に練習に励んでいる選手たちはそれを見てどう感じているのだろう?
「あのジャッジの採点はおかしい」
「羽生くんの演技に比べたら、ネイサンは助走とジャンプ以外何もしてない」
「技術と芸術の融合とは羽生選手のスケートのことだ」
「○○選手はスタイルが・・・」
「○○選手の点数はいつも爆盛りで」
「○○選手は羽生選手をお手本としているからやはり見込みがあるね」
などなど、それらを見た羽生選手はどう思うのか。
他の選手たちはどう思うのか。
羽生選手はそれが原因で孤独を感じていることはないのだろうか。
海外でも「ハニュウに近付くとなんか言われるから触りたくない」とか思われていないだろうか。
そんなことを私が思うこと自体迷惑な話なのかもしれないが。
けれど今日は、雑誌編集者がファンへ謝罪している文字を目にして、涙が出てしまった。