あなたに飼われる猫になりたい

大きな声では言えない日常の本音を書きたいと思います。

断捨離、怖い。

たまに見かける番組で、

BS朝日の『ウチ、“断捨離”しました!』

というのがある。

 

毎週月曜よる8:00から放送しているらしいが、

チャンネルを変えている途中にちょっと見て、すぐにやめてしまう。

見ているだけでツライのだ。

 

片付けが大変苦手なご家族に密着して、

断捨離の達人・やましたひでこ先生が丁寧に指導し、

みるみる部屋が片付いて行く様子を紹介するシンプルな内容だが、

片付いていない部屋を見るのは、自分のことのようで苦しいし、

どんどん“要らないモノ”のゴミ袋に投げ込まれて行く、

もしかしたら思い出の詰まっているかもしれないモノたちを見るのもツライ。

 

私は録画して一度見たドラマや映画などもなかなか消せないほど、

何かを捨てるのが怖い。

「あぁ、あの時捨てなければよかった」

「あぁ、あの番組消さなきゃよかった」

と後悔したことが一度や二度ではないからだ。

 

私は自分のことをものすごく執着心が強い人間だとは思っていないが、

自分にとって思い出、思い入れのあるものはなかなか捨てられない。

 

もしかしたらたいていの人はそうなのかもしれない。

「片付けられない」のではなく、

「思い出を捨てられない」だけなのではないか、と思う。

 

少し前に姉が、小学校の時に見ていた『ケーキとクッキー』のレシピ本を捨てた。

すごく古かったし、小麦粉やバターで汚れていたし、

お菓子作りなどもうこの先しないだろうし、

したくなったら新しく買えばいいし、と思ったそうだ。

 

しかし、捨てた後に姉は気が付いた。

あれは単なるレシピ本ではなく、

自分の子供の頃の思い出そのものだと。

昔のアルバムを無造作に捨てるのと同じようなことをしてしまった気がして、

捨てたことを思い出すたび激しく後悔しているそうだ。

 

けれど、それこそが断捨離なのだろう。

「思い出」や「思い入れ」への「執着」を手放すこと。

そうして心を強く、そして軽くすることで人生が好転して行くのかもしれないから。

 

いや、でも私はそんな喪失感には耐えられそうにないので、

たぶんまだまだ生きているうちには本格的な断捨離はできないだろう。

 

捨てた後の激しい後悔。

そんな気持ちはもう味わいたくない。

捨てた後、うじうじし続ける苦しい時間。

・・・・・怖い。