私は27歳のとき、1回目の結婚をした。
元夫は学歴も収入も見てくれも、私にとっては合格点を超えていて、
私たちはとても愛し合い、信頼し合い、互いを求め合って結婚した(と私は思っている)。
元夫は小さい頃、母親を癌で亡くしており、家政婦さんに来てもらっていた時期もあったそうだが、基本的には男手ひとつで大切に大切に育てられた。
元夫には年の近い妹と弟もいたので、お義父さんの苦労は相当なものだったと思う。
そのお義父さんには何人かの兄や姉がいて、
一番上のお姉さんの娘が東京に住んでおり、
元夫が大学時代に東京に住んでいた際、随分親身に世話を焼いてくれたのだそうだ。
お義父さんのお姉さんの娘なので、元夫からすればその人は従姉であるが、その女性は年齢が元夫の母親としてもおかしくないくらいの歳だったので、
元夫は「東京の母」あるいは「母親代わりのおば様」と呼んでいた。
おば様は、私たちの結婚式の際にもいろいろ段取りや引き出物のアドバイスなど、
男親では気付かないような細かなサポートをしてくれて、私も感謝はしていた。
(本音を少し言えば、私の夫となる男性には母親がいなくてよかったーと思っていたのに、実際には姑的おば様がいてちょっと鬱陶しいなとは思っていた)
そして、そのおば様の衝撃的な行動は、結婚して最初の新年に訪れた。
年末に私たち夫婦は「結婚して初めてのお正月です」という言葉を添えて年賀状を作成したのだが、
私は私の友人・知人・恩師・元同僚などへ例年通り発送し、
元夫の分は(私は当然のことだと思っていたので)元夫に任せていた。
が、元夫はどちらかと言えば几帳面な性格ではなく、絶対に送らなければならない相手以外の年賀状は、来てから出すタイプだった(ということは結婚してから知ったのだが)。
で、新年になって10日ほど経ったある日、私の実家の母から私に電話がかかってきた。
「東京の○○さん(例の姑的立ち位置のおば様)から手紙が来たよ。あんた、○○さんに年賀状出さんかったんだって?自分の息子夫婦のような気持ちで接していたのにどういうおつもりなんでしょう?って書いてあったよ!」と母が言うではないか!?
はぁー!?なんで私が怒られなきゃならんのー!?
ってめちゃくちゃ驚いたことを昨日のことのように思い出す。
だってそうでしょう!?
基本、おば様は元夫の親戚。
自分の親戚に年賀状を出すのは元夫の仕事なわけで、年賀状を出さなかったことをなじられるなら私じゃなくて、元夫のほうだと思うのだ。
百歩譲って、おば様は私にとっても親戚になったのだから、私がちゃんと配慮して私が年賀状を出すべきだったのかもしれない。
そうだと考えれば、出来の悪い嫁として私が叱られても(百歩譲って)納得は行く。
が、おば様は私に直接ではなく、私の母に手紙で告げ口をしたのだ。
あー、これだから姑はやだねー、と心底思った。
そのおば様は九州の厳格なお家で育ったいわるゆ良妻賢母。
まあ私のような粗野な育ちの田舎者には言いたいことがいっぱいあったんだろうなーと未だに思う。
(それ以来「九州女怖えー」という偏見を私は持っている)
こんなこともあった。
結婚してしばらく経ってから何か仕事をしようと思っていた私に、
「飲食店はやめなさいね。ああいう所はどんな人が接触してくるかわからないから間違いが起きてもよくないわ」などと、ウェイトレスなどの接客業をする人妻が不倫に走る確率は非常に高いのだと心配しているような大きなお世話な発言もあった。
(本当は事務仕事よりも接客業を低く見ていたんだと思うが)
結局そのおば様とはだんだん疎遠になり、約6年後、私は最も愛した男とも縁を切ってしまった。
何かうまくいかない夫婦というのは、その親とも親戚とも全体的に価値観などが合わないってことがあるんじゃないかと今でも思っている。
もちろん一番合わなかったのは、その最も愛し、信頼し合って結婚したはずの元夫なのだが、その話はまたの機会にじっくり書こうと思う。