カスハラの逆は何というのだろう?
検索すると、
セラハラ
Seller Harassment
と出る。
店員側が客に対して不適切な態度を取ることだ。
この頃、
セラハラとまでは言わないが、
これってどちらが客かわからないなと思うことがしばしばある。
先日、近所の喫茶店へ行った時のこと。
ここは名古屋地方で有名なチェーン店で、
コーヒーを注文すると塩味の豆菓子が付いてくる。
私が入店したのはモーニングが終了した直後の11時過ぎだった。
ミックスサンドとホットコーヒーを昼食として頼んだ。
他の客はほとんどが朝から来ていて、
モーニングを食べている感じだった。
モーニングには豆菓子は付かない。
しかし、この時はなんと私のコーヒーにも豆菓子は付かなかったのだ。
ひょっとして折からの物価高騰に伴い、
経費節減のために豆菓子サービスはやめてしまったのか?
と思ったが、
一応店員さんに聞いてみることにした。
「あのー、つかぬことをお聞きしますが、コーヒーには豆は付かないんでしょうか?」
恐る恐る訊く私に店員さんは、
「あ、モーニングには付かないんですよ」と自信満々で答えるではないか!
こういう時、
私はすぐに自分が間違っている側だと思ってしまう頭の回転の悪さがある。
それで「あぁ、これってモーニング扱いなんですね?」と確認すると、
「んー違いますね、すぐにお持ちします」と言ってカウンターの方へ下がって行った。
だよねー。
私が頼んだミックスサンドとコーヒーはモーニングのメニューじゃないよねー。
と、私が間違ってはいなかったことを心の中でほらほらと思ってはいたが、
その一方で、
なんで私はこんなにも店員さんに気を使っているのか?と悲しくなった。
カスハラという言葉や事件が社会問題になって、
多くの客は自分の発言や態度に必要以上に気を使う羽目になっている気がする。
ある時、携帯ショップではもっと嫌な思いをした。
私は自分のスマホのメール画面にいつも出てくる新しいアプリの宣伝画面を消したくて、どうすればいいかを聞きに行った。
するとその若い男性店員は、
「あーこれは結論から言うと消せないんです。もう機種変更してくださいってことっすね。新しいアプリの方がメールより便利なんでそれでずっと画面に出るんです。今は機種変更した方が断然お得で~」
と機種変更のメリットの話をし始めたではないか!
いやいや、私はそんなことは訊いていない。
その新しいアプリのメッセージが消せないんならもうそれでいい。
できればその若い店員さんに
「ご不便をおかけして申し訳ございません」
と形だけでも言って欲しかっただけである。
まあそれは客として普通の感覚ではないか。
私はその宣伝が毎回画面に出て困っていたのだ。
それでわざわざネット予約してサポートを受けに行って、
挙げ句、問題が解決しなかったのだ。
お詫びのひとことくらいあってもいいだろう。
なのにお詫びがないどころか、
望んでもいない機種変更をぐいぐい勧められたのだ。
なんという不愉快さ。
携帯ショップの店員は以前はかなり質が悪いなと感じてはいたが、
ここ数年改善してきていたように思っていた。
しかし店舗によっては、
あるいは個人の問題なのかもしれないが、
まだまだ自分の新規契約件数のことばかり考えて、
客が本当に望んでいることは何かを想像することもしない店員がいるのだ。
その店舗には客の座る席の脇に、
サービス向上のためとかで録音機器が置いてあった。
それを目にして私は感じのいい客でいることを強要されたようで本当に悲しかった。
客を過剰に持ち上げて欲しいとは決して思わない。
が、普通にあたたかいおもてなしの接客はして欲しいではないか。
だいたいそういう店では店員は名札も付けていないのだ。
名前を覚えられてネットに晒されたり、
ストーカー行為をされたり、
そういう事件が実際にあるのでしかたないが、
嫌な世の中になったなあと改めて思った。
普通に接客して欲しいだけなのになあ。