還暦間近になってきて、
若い芸能人、
特に若い男性が苦手になってしまった。
これが老いというものか。
私がその症状を感じ始めたのは5~6年前だったと思う。
若い頃からどらかと言えばジャ○ーズなどの男性アイドルには興味がなく、
むしろ歌が下手で見映えもイマイチなのに、
なんで女子たちはキャーキャー言っているのだと不思議な存在だった。
嫌いというほどの感覚ではない。
その魅力は自分にはわからないというだけの話だった。
それが50代になって、
たぶん女性ホルモンが枯渇し、若い男性そのものの存在を受け入れなくなったのだろう。
私の劣化した耳も、若い男性が発する特定の周波数を嫌悪するようになったようだ。
彼らの歌や喋りを聴くと体がムズムズするようになってしまった。
視力も落ち、若い男性の顔がテレビに映るだけでチャンネルを変えたくなってしまう。
網膜が映像を正常に処理出来ず、
気持ちの悪いものを捉えたと脳が判断してしまうようになったのかもしれない。
じゃあ若くない芸能人は大丈夫なのかと言うと、
そう、大丈夫なのだ。
同世代かそれ以上の有名人には抵抗感は(さほど)ない。
歌声を聴いても、ドラマを見ても、嫌悪感は(ほぼ)湧いてこない。
異性に対する親和性ホルモンが、若くない男性には普通に分泌するんだろう。
この人たちは仲間だ、襲ってこない、安心だと脳が受け取るのかもしれない。
そんなわけで、私は若い男性が出ている歌番組やドラマやバラエティが死ぬほど苦手になってしまった。
しかし安心安全の中高年男性が中心の番組でも、
若い男性は出演しているのでそこは耐えなければならない。
そのことに関しては私の脳は始めから若い男性たちの存在を消してインプットしているのか、おかげで顔と名前がわからない芸能人が増える一方である。
現在放送されているテレビ朝日の『しあわせな結婚』では、
刑事役で若い頃の私ならいいなあと思いそうな俳優が出ている。
確か杉野遥亮という名前だと思う、という程度にしか認識できていない。
朝ドラ『あんぱん』に出ている北村匠海と、
手嶌治虫役の眞栄田郷敦の顔の違いの認識も実は曖昧だ。
もう少し長生きをして、完全なるおばあちゃんの域に達したら、
また違ったホルモンが出て若い人たちを受け入れられるようになるかもしれない。
いや、その前に認知症で誰のこともわからなくなってしまうだろうか。