先日、真夜中に『ETV特集 夫婦別姓・“結婚”できないふたりの取材日記』という番組を見た。
(厳密には、たまたまチャンネルを合わせた終わりがけの20分くらいを見ただけだが)
(私が見た部分の)番組の中で、事情があって相手の姓になりたくない事実婚状態の若いカップルが、亀井静香氏(84歳・元金融相)に「なぜ日本では夫婦別姓が認められないのか?」と訊いていた。
亀井氏は「身も心もひとつになりたいなら姓も一緒にすればいい。国家の恩恵を受けたいなら国の決めたことに従わなきゃ。日本人はみんな天皇の子なんだから。別姓だと困るでしょ?」みたいなことを仰っていた。
・・・いや、それ答えになってないんじゃ?(論理的な説得力ゼロ)
亀井氏はこうも仰っていた。
「日本には1億人以上人間がいる。ひとりひとりのわがままに合わせていたら国家は困ってしまう」
「本当に愛していたら、あなたと同じ名前になりたいわ~となるはずだよ。あなたたちは身も心も相手に捧げてないんじゃないの?」(←だいたいこんな感じ)
・・・いや、話が通じないっつうか、日本語が通じないっつうか。
(こういう古臭くて頭の固いこと言うから、若い人から老害なんていわれちゃうんだよね)
うーん、真面目な話、夫婦別姓ダメなんだろうか?
戸籍とか、各種申請手続きとか、子供の姓とか、市区町村からのいろんなお便りとか混乱するのかな?
まあ、実務上どんな不都合があるのかは未知数だが、他の国では普通に出来ているのだから、日本だってやってやれないことはないとは思う。
この前、実家でお世話になっている業者さんからメールが来て、
「○○会社 △△(旧姓××)です」
と書いてあった。
その後電話で話す機会があり「ご結婚なさったんですか?」と恐る恐る訊いたら、
「あ、そうなんです~」とのこと。
なぜ恐る恐る訊いたかと言うと、「結婚」ではない理由で「旧姓」になることがあるからだ。
まあ、それは私のことなんだが。
私は若い頃、一度離婚を経験している。
仕事をしていたので、元々の姓で名刺を刷り直して、取引先の担当者さんに会うたびに「これからはこれで(ニコッ)」と手渡した。
若干の気まずい空気の中で(笑)
そういう経験があるので、そして今ではそんなことは日常茶飯事だろうと思うので、今回の「旧姓××さん」にも気を遣って訊いたのだ。
「結婚」及び「離婚」で姓が変わるのは圧倒的に女性の側だ。
姓が変わるに伴って、銀行口座の名義も、ネット上の各種アカウント登録も、カードも、免許証も、パスポートも、ぜーんぶ変更が必要になる。
人によっては仕事を辞めざるを得なかったり、夫の家族と同居なんて日には妻だけが引越しする羽目にもなる(羽目って言ったらあかんか)。
で、残念ながら離婚しなければならなくなったら、またこれら全ての手続きを全部やるのだ。女性だけ。
面倒なことになるのはたいていの場合女性側。
国の法律を決めているオジサンやオジイサンたちにはわからんだろーなー。
東京オリンピックの一連のゴタゴタを見てても、こういう構造が理解できない人たちが完全引退するまで、頭だけ女性にすげ替えても、なーんも変わらないんだろうなと暗い気持ちになる。
せめて「選択可能な夫婦別姓」くらい認めてくれてもいいのにと思う。
「男女平等」とか「多様性の時代」とか、うわべだけのお題目なんてもううんざりですよ。