今年のグランプリファイナルは名古屋開催だ。
会場は7月にオープンしたばかりのIGアリーナ。
オリンピックシーズンに私の地元の新しい会場でフィギュアスケートの国際大会があるなんて、
絶対に逃してはならない機会だ。
思えば8年前、
2017年のオリンピックシーズンもGPFは名古屋開催だった。
フィギュア王国の名古屋だ。
もしかしたら平昌五輪を目指してそのシーズンも浅田真央が現役で頑張っているかもしれないとか、
羽生結弦と実力も人気も二分するという触れ込みで宇野昌磨の存在を世界にアピールしたいとか、
名古屋招致にはそんな思惑があったのかなかったのかはわわからないが、
運営側だけでなく名古屋市民の私も現地観戦して試合を盛り上げようとワクワクしていた。
チケットさえ手に入れば・・・。
そう、チケットさえ手に入ればの話だったのだ。
当時のフィギュア界はとにかく羽生結弦が五輪二連覇を成し遂げるのか、
それを宇野やネイサンなどの若手が阻むのか、
かつての世界王者パトリックやハビエルがどう絡んでくるのかということで持ち切りだった。
その試金石となるのがGPFだ。
GPシリーズの6戦が終わるまでどの選手がGPFに出場するかはわからないが、
ずば抜けて人気も戦績も高かった羽生結弦が出場するだろうとなれば、
チケット争奪戦は熾烈になるのが当然だ。
(2017年の4月に浅田真央は現役引退をしていたので彼女は集客には関係ない)
で、チケット争奪戦の結果としては私は1枚も入手できなかった。
誰かのつてでどこかから1枚くらい調達できないものかと思案したが、
そんなコネクションなどそもそも私には皆無だった。
まあ例年通りテレビで見ればいいや、
Road to PyeongChang Storyとか、
ウォーミングアップルームからの中継とか、
テレビならではのお楽しみもいろいろあるし、
と頭を切り替えていたら、
私だけでなく羽生のGPFへの道も断たれてしまった。
当時のことを思い出すと今でも胸が苦しくなるので詳細は割愛するが、
とにかく2017年の名古屋GPFには私は何の思い入れもなくなってしまったのだ。
あれから8年。
フィギュア界はガラッと様変わりした。
羽生のみならず、宇野も引退。ネイサンも引退宣言こそしていないが競技会には出ていない。
4Aを跳ぶマリニンという若手も出てきたが、
話題という点では足りない。
日本の男女シングル、ペアさえも世界選手権で優勝しているがイマイチ(私の心が)盛り上がらない。
GPシリーズの地上波放送が関東エリアに限られる試合が多く、
かつてはBS朝日で全試合録画放送していたのに、それさえもなくなった。
数字が取れなければスポンサーもテレビ局もそうせざるを得ないので仕方ない。
(羽生ファンの中には「ゆづが引退した途端にゴールデンタイムの放送がなくなった、やっぱり羽生の存在は別格だったね、などと言っている者がいるがそれは違う。羽生が現役の頃から羽生の出る試合以外は深夜枠かBSのみの放送だったよ)
そんな注目度の落ち着き切ってしまったフィギュア界、
ついに何の苦労もなくチケットが取れる日が来たのだ。
喜んでいいのか、悲しむべきなのか・・・。
フィギュアファンとしてはそこは複雑な気持ちになるが、
ついにフィギュアスケートのちゃんとした試合を観に行けるのはやっぱり嬉しい。
特に応援している選手はいないが、
国際試合を地下鉄に乗るだけで観られる機会などもうそうそうないだろうから、
今回は抽選が当たりますようにと祈った。
ただ、本当にフィギュアファンとして悲しいのは今でもチケットが全日取り放題であるという現実。
男女フリーの土曜日だけPremium席とS席が売り切れているようだが、
それ以外はいくらでも買える。
IGアリーナ広いからねえ・・・ってそういう問題じゃないか。
とりあえず12月上旬に体調を崩さないようピーキングに励もうと思う。