この週末、Dreams On Iceが開催された。
7月9日(金)1公演、10日(土)2公演、11日(日)1公演、計4公演。
会場はKOSE新横浜スケートリンクという比較的小さな箱だった。
しかも観客の数を制限していたのでチケットはあっという間に完売。
その上、転売屋がごっそり買い占めた可能性もあり、今回のチケットを手に出来たファンはかなりのくじ運を使ったであろうと言われている。
とにかく「チケットが手に入らない!」「抽選外れた!」という多くのファンの嘆きがあちこちから聞こえていた。
なぜそんなに入手困難だったのか?
その証拠に(と引き合いに出して大変申し訳ないが)羽生結弦以外はほぼ同じメンバーで行われるアイスショー(The IceやPIW)のチケットは発売して少し時間が経つがまだ完売していない(と言うか余裕で買える)。
3年間の興行を終えた浅田真央のサンクスツアーや、隔年で開催される(?)髙橋大輔の氷艶などは、内容的には独自性があり私も興味をひかれたが、それでも全公演完売御礼とはならなかったらしい。
浅田にしても髙橋にしてもフィギュアスケーターとしてのスター性は問題ないと思うが、日本でアイスショーを成功させるにはとてつもない魅力を持った大スターが必要なのだろう。
2016年のオフシーズン、羽生結弦は左足リスフラン関節靭帯損傷でアイスショーを全て欠場した。
欠場が発表されるまでにFaOI(別名羽生結弦ショー)のチケットは完売だったようだが、羽生が出ないなら行かないというファンはけっこういたようである。
特に札幌公演はチケット代以上に交通費や宿泊費が必要になる遠征組が多かったようで、会場はガラガラだったらしい。
それが現実なのだ。
そしてこの5年前と現在とで、状況は何も変わっていないというのも事実である。
7月10日(土)の23時からISU Skating Awardsが昨年同様オンラインで配信された。
私は半分眠りながら見ていたが、やはり白人種の美男美女が英語でMCをして、音楽や映像にもそこそこ凝って番組を作ると“それなりに豪華な”雰囲気が出る。
同じ頃、スポーツ界のアカデミー賞とかいうESPY賞に大坂なおみや大谷翔平が選出されたとニュースになっていた。(ローレウス賞の米国版か?)
こういうのを見るとやはり欧米のショービジネス、エンタメ界のスケールの大きさ、華やかさは凄いなと正直思う(悔しいけれど)。
羽生結弦のLet Me Entertain YouやBlinding Lightsが絶賛されているが、その曲を歌っているアーティストのライブ映像を見ると「彼らとは生きている世界が違う」となんだか悲しくなってしまうほど欧米人の熱狂は桁違いである。
そんな世界と比較してとやかく言っても意味のないことかもしれないが、名実ともに揺るぎない大スターである羽生にさえ物足りなさを感じてしまうのだから、他の日本のスケーターにはもっと視野を広げて魅せるテクニックを学んで欲しい。
羽生が引退した後の日本のフィギュア界はどうなってしまうのだろう?と他人事ながら淋しい気持ちになるのだ。
(スケーターたちの技術的な問題というより、興行主の意識の問題か?アイデアが古臭く陳腐であってもまあいいかと思っていそうで残念である)
(尚、韓国のBTSというグループがとても人気があるらしいが、彼らよりは羽生の方がずっとカッコいいと私は感じる。単なる好みの問題かもしれないが)