あなたに飼われる猫になりたい

大きな声では言えない日常の本音を書きたいと思います。

不幸な夫婦でいるより幸せなシングルマザー

夫の友人(会社の同期)の話。

30代の娘が数年前に離婚し、子供を連れて実家に戻って来たそうだ。

離婚理由は聞いていないのでわからないが、子供がいるのに離婚したのだから相当な修羅場を経ての結論だったと想像する。

そこそこ田舎の世間の目がまだまだ気になる地域に住んでいるので、あまり体裁のいい話ではないが、実は友人夫婦、つまり離婚して出戻って来た娘の両親はウェルカムな態度なのだという。

母親の方は、シングルマザーになって地元で働き始めた娘の代わりに孫の面倒を毎日楽しく見ており、父親の方は、税金対策と称して娘と孫のために自宅敷地内に家を建て、娘に賃貸するという形で居住問題を全面的にサポートしている。

両親と娘と孫、楽しい毎日なのだそうだ(今のところ)。

孫にとっては、本当の父親と触れ合うことなく成長して行くのは多少の淋しさや、情緒面でのマイナスはあるかもしれないが、それ以外は誰にとっても損のない、ほぼほぼ理想の家族の形を成しているのではないかと思う。

少なくとも両親のいがみあう姿を見ずに暮らして行けるのはよかったのではないだろうか。実際、それを離婚のポイントにしている人はけっこうたくさんいると感じる。

 

私が「離婚したい」と親に切り出した時は、とにかく親は大反対で「子供が出来れば男は変わる。お前が我慢しろ。それで全て丸く収まる」の一点張りだった。

最終的には私は親の意見は無視して、夫とふたりで話し合って離婚を決めてしまった。実家にも戻らなかった。私が離婚したことを知った両親はたいそうがっかりしたようだった、と後で姉に聞いた。

私に子供のひとりでもいれば、同期の家族みたいに状況はまた違ったのかもしれない、と今になって思う。

 

私の幼馴染で、地方都市のまあまあ名家の出のお嬢様が、20年程前に医者と不倫の末、男の子を産み、はじめは激怒していた両親も、孫の顔を見た途端てのひらを返したように娘と孫の理解者となったという話もある。

私の幼馴染は結婚願望が皆無だったため、はじめからシングルマザーを選んだが、フリーランスでメディアの仕事をしていて収入はなんとかなっている。

相手の男性は妻との間に子供が3人いるが、医者なので養育費を求めれば十分応えてくれたであろうが、彼女はそういう関係を一切好まず、しかも息子を産んでしばらくしてからその不倫相手への愛情が完全に冷めてしまったので、息子はその男に会わせるが、自分はほとんど会っていないと言っていた。息子の良き父親であって欲しいとは思っているそうだ。

 

家族の形も、幸せの形も、本当に多種多様だと実感する。

なるべく気の合う人間とだけ暮らして行けたら、それが一番いいのかもしれない。