・・・というわけでもないが、
2000年から2015年くらいまでの間のことがうまく思い出せない。
人はあまりにも過酷な日々を過ごすと記憶障害に陥ると聞いたことがあるが、
もしそれが本当なら、確かに私はその時期とても辛く苦しい毎日を送っていたのだ。
仕事ではお客さまからのクレームに怯え、
仕事仲間の“そこにいない同僚”への中傷に嫌気がさし、
プライベートでは夫が単身赴任中でなんとなくリズムの悪い生活が続き、
とにかく精神状態が不安定だった。
・・・と思う。
もはやそれさえもあまり思い出せないような日々。
そして約7年前のある朝突然、
心臓が苦しくて体が動かなくなって、
それ以来会社に行けなくなり休職→退職→引きこもり→今に至る。
逆に今、常に思い出すのは30年くらい前の記憶。
その頃も仕事は忙しかったし、
お金もそんなに稼いでいなかったから贅沢も出来なかったし、
恋のトラブルもいくつかはあったけれど、
それでも今となってはなぜか楽しかった思い出として私の記憶の中に残っている。
とても不思議な感覚。
20代という若い時期の経験だったからだろうか?
同じ経験を40代とか50代とかでしたら、
もしかしたらそれはただただツライだけの記憶になって思い出すことが出来なくなっていたのだろうか?
30年前、日本はバブル絶頂期で、
振り返ると変な時代だったけれど、
それなりに楽しかったんだなあと思う。
会社の忘年会がディスコ貸切で行われたり、
深夜まで残業をして(終電を逃して)タクシーで2万円かけて帰ったり、
親に嘘ついて彼とグアムへ行ったり。
品のない若者だったなとは思うが、
思い出せないくらいツライ毎日を送るよりよほどましだとは思う。
これから死ぬまでの20年とか30年、
私は死ぬときに「楽しかった」と思い出せるような日々を送れるだろうか?
50代も半ばになって、せめてこれからは穏やかに過ごしたいと思う。