日本人として初めて大谷翔平が出場するというのでちょっと興味が湧いてしまったのだ。普段は日本のプロ野球でさえ全く関心はない。
まずはじめに驚いたのは球場を埋め尽くす大観衆。
誰もマスクなど着けていない上に、ビール片手に大歓声を発している。
アメリカはもうコロナは終わったようだ(?)
先日行われたウィンブルドンのテニスでも、サッカーのユーロ大会でも観客の制限はなく、そして誰もがノーマスクで大歓声だった。
ワクチンが普及した世界というのは本当にコロナが終わったかのような日常が見られるのだ。
ホームランダービーでは期待の大谷は延長に次ぐ延長の末、1回戦で敗退してしまったけれど、観客はその勇姿に大満足のようだったし、(たぶんアメリカのスター選手である)アロンゾが二連覇を成し遂げてこの大会は大成功だったのではないか。
とにかくアメリカ人は単純に「強い人が勝つ」のが大好きだ。
それがどんな勝ち方でも、勝つことこそがドラマなのだろう。
生まれた直後からコーラをミルク代わりに飲んで育つような国民性なので、ルールとか常識とか他人の価値観とか全く気にしない(ような気がする)。
何百グラムもあるステーキを毎日食べ、汗をかきながらガシガシ働き、休みの日には球場の駐車場でバーベキューをしてから観戦するような人々。
楽しんだもん勝ちの精神にはどの国の人も勝てる気がしない。
日本ではコロナの感染者数が東京で(たったの)920人になっただけで緊急事態宣言。
どこもかしこも入場制限、酒類提供禁止、イベント会場では歓声禁止、とにかくマスク、マスク、マスク・・・三密回避・・・東京五輪も無観客。
なんという違い!
同じ地球上で起きていることとは思えない!
日本人は秩序正しく、控え目で、和を重んじ、おとなしく、我を抑える。
それこそが正しい人間であり、正しい社会を作り上げると信じている。
黙々と精巧な技術を積み上げ繊細な作品を産み出すのが日本人の職人魂。
私も日本人としてそういう姿を誇らしいと信じているが、勝ち負けの話に限って言うと、それでは欧米には勝てないと思う。
なりふり構わない単純さ。
会場一体となって熱狂するあのエネルギーの凄まじさ。
少し羨ましいと思ってしまった夏の朝だった。
(このあとアメリカやイギリスでコロナ感染者が再拡大するのかどうかにも注目したい)