あなたに飼われる猫になりたい

大きな声では言えない日常の本音を書きたいと思います。

お返しが出来なくて辛かった。

もうだいぶ前のことになるが、心のやまいで会社を休職していたときのこと。

 

同じ職場のママさんが私に何度も食べ物を段ボールで送ってくれていた。

ママさんと言っても私より10歳も年下だったのだが、3人の子持ちで、管理栄養士の資格ももっている女性だからか、「ちゃんと食べないと治るもんも治らないよ」という母のような想いからだと思うが、りんごとか梨とか干し芋とか、季節の物を中心にいろいろ送ってくれたのだ。

 

有り難かった。

涙が出そうだった。

なんと愛情深いのだろう、こういう人が母親だと子供は健やかに育つだろうな、

と思った。

 

けれど私は当時、外出するのもままならないほど心を病んでいたので、「ありがとう」とメールをするのが精一杯で、何もお礼の品を送り返すことが出来なくて辛かった。

 

日本人の感覚からすると、お誕生日やクリスマス、結婚のお祝い、お葬式のあれこれ・・・とにかく何でも貰ったら「倍返し」か「半返し」するのが当然と思ってしまう。

 

もちろん私に食べ物を送ってくれたママさんがそんなお礼返しを期待していたわけではないことはわかっているし、私からお礼の品が届かないからと言って「失礼な人だ」と怒っているわけはないとは思っているけれど、それでも何もお返しが出来ずに心苦しく思っている(いた)。

 

そうこうしているうちにママさんからの段ボールはいつしか届かなくなり、メールのやり取りもなくなってしまった。

 

今は私の病気も落ち着いているけれど、今さら「あの時のお礼です」と何かを贈るタイミングもわからない・・・。

 

貰っても嬉しいだけじゃないことってあると思う。

 

誰かに何かをあげる時、本当にその人はそれを望んでいるのか?それは贈る側の自己満足ではないのか?お返しがなくても平気か?を今一度考えたいと思っている。